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君に届くまで

第83章 時間遡行軍、現る



「早く帰ろーよ。ボク寒い。」

「僕だって土方さんの事、レンさんに語りたいです!」

ここにも自慢したがりがいたか、とレンはがっくりと肩を落としたくなった。

加州と大和守は、仲間の言葉にやっと落ち着きを取り戻す。

「ごめん、つい。」

「屯所では、それどころじゃなかったからね。」

「…もう行きましょう。早く火鉢に当たらないと凍え死にます。」

レンがため息をつきながら先頭を行くと、皆が呆れ返った。
そもそも、レンが屯所に来ようと思わなければ、今頃は部屋でぬくぬくと温まっていた事だろう。

「いやいや、レンのせいでしょうが。」

「「「「ごもっとも。」」」」

乱の即答に、燭台切達も声を揃える。

「え、私のせいですか?」

「他にないでしょ?」

隣に来た乱が呆れながらレンを見上げる。

「…何かしましたっけ?」

考えながら首を傾げるレンに、乱は胡乱気な視線を送る。

「これは本気で分かってないね。」

後で説教だな、乱は思う。

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