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君に届くまで

第82章 新撰組



「どうでもいいですが、手を離してもいいでしょうか?」

レンの声が聞こえた原田達は、慌てて助けにかかる。

「山崎、大丈夫か?」

「えぇ、まぁ…、何とか…。」

助けられた山崎は、失態に肩を落とす。

レンはそれを見届けると、屋根からすたっと廊下に飛び降りた。
そして、山崎を取り囲む彼等を通り過ぎて加州達に駆け寄る。
すると、

「「「頼むから心配させないで〜…。」」」

と、加州、大和守、乱から肩や腕を掴まれて、ぐらぐらと揺すられた。

「ちょっ…!」
「ほんっっとに気が気じゃなかったんだから。」

レンの言葉を遮って、乱は彼女の腕を抱きつく様に抱える。

「少しは頼ってよね。」

「頼むから、何かあったら僕達の事思い出してよ。」

加州と大和守は半泣きでレンをひしっと抱きしめる。
レンは身動き一つ取れず、もごもごと息苦しさに耐える羽目になった。

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