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君に届くまで

第81章 幕末へ




翌日。

いつもより遅く起きた彼等は、遅めの朝食を食べて宿の表に集まる。
昨日と打って変わり、今日は雲一つ無い澄み渡る青空だった。

「よく晴れたね。風も昨日よりあったかいし。」

「聞き込みにはもってこいの天気ですね。」

加州とレンは、眩しそうに空を見上げる。

「ほんとによく晴れてるね。」

「あったかくなって良かったよね。」

「そうですね。天気が良ければ店も多く開くでしょうし。」

先に表に出ていた、燭台切、大和守、堀川は穏やかに笑う。
その時、慌てた様に乱が扉から出てきた。

「ごめん、お待たせ。ボクも準備OK!」

これで全員揃った。

「さて…。じゃあ、打ち合わせ通りに聞き込みを開始しましょう。」

レンは号令をかけて歩き出そうとすると、加州から待ったがかかる。

「その前に、もう一度確認しよう。」

「はい?」

この期に及んで何を確認する事があるのか、とレンは胡乱な目を彼に向ける。

「一つ、過度な接触は避ける事。」

と、大和守が言い出した。

「一つ、不審に思われるような道具や術は使わない事。」

と、加州が続く。

「一つ、特に歴史に名が残る人物達との関わりは避ける事。それが”政府の出した条件”だったよね。」

と、乱が続き、念押しをする様にレンをじっと見る。

「…そうですね。」

レンが少し渋い顔を作って答えると、加州と乱は、ずずいと身を乗り出してレンに詰め寄った。

「「くれぐれも、気をつけてね。」」

「はいはい…。」

「「はい、は一回。」」

「…はい。」

レンは渋々頷いた。

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