第81章 幕末へ
「な、なんでそうなるの?」
「外歩いただけなんでしょ?」
乱と加州は頭を抱えながら半泣きでレンに言い募る。
「不可抗力だと思いますが…。」
レンは若干引き気味に答えた。
「まぁ、今回は色々運が悪かったかなって思うよ。」
大和守が二人を宥めていると、
「ただいま〜。おや、やっと帰ってきたね。」
「お待たせしました。あ、レンさん、大和さん、おかえりなさい。」
燭台切と堀川がにっこり笑って部屋へ入ってきた。
「も〜聞いてよ二人とも!」
「レンが、レンがね…」
涙ぐみながら話し出した乱と加州に、燭台切と堀川は戸惑いながらも耳を傾ける。
「やっぱりレンちゃんだよね。」
「何て言うかまぁ…、捕まらずに済んで良かったですよ。」
事の顛末を聞いた燭台切と堀川は、苦笑いで感想を述べた。
「いいの!?ねぇ、いいの!?それで!」
「ここは呉々も慎重に!って釘を刺すとこじゃない!?」
乱と加州は、今度は涙目で燭台切と堀川に食ってかかった。
「だから不可抗力だと思いますって。」
レンはそんな二人を半眼で見遣りながら反論する。
「いや!何で怪しい奴を追いかけちゃうんだよ!それがなかったら新撰組にも出会す事なかったのに!」
「そうだよ。危険な事に首突っ込むなって長谷部からも釘刺されてたじゃん!」
加州と乱はレンに言い募るも、
「そうでしたっけ?」
明後日を向きながら空っ惚ける。
「「レン〜!!」」
「まぁまぁ、落ち着いて。」
「気持ちは分かるけど、レンの言う事にも一理あるよ。」
「とりあえず、何事もなく帰ってきただけ良しとしましょうよ。ね。」
目を吊り上げて怒る乱と加州を、燭台切、大和守、堀川が宥めすかす。
「も〜。みんなレンに甘いんだよ。」
「長谷部じゃないけど、ほんとに目を離すと何するか分かんないんだから。」
加州と乱は肩を落としながら言う。
「まぁまぁ、落ち着いてください。」
「「あんたが言うな!!」」
他人事の様に言うレンに、二人は突っ込んだ。