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君に届くまで

第81章 幕末へ



「まぁ、とりあえず状況は飲み込めました。私達はその長州かもしれないと思われてるって事ですね。」

「そうかもね。過激派だから、何しでかすか分からないんじゃないかな。でも、そんな奴がいたからこそ、新撰組が活躍できたのかも。」

大和守は遠くの空を見つつ思い出す様に言った。

「新撰組が?」

「うん。誰も取り締れないから、会津藩の庇護の下、京に構えて市中見回りをしてた。
沖田君はその中でも一番強かったんだから。薩長から夜叉と恐れられたって聞いたことあるし。」

レンは、へぇ、と相槌を打ちつつ、嬉しそうな大和守の言葉に耳を傾ける。

「沖田君はね、三段突きが特に得意だったんだ。その技の前には誰も敵わない。僕と清光もその技が得意なんだよ。」

そういえば、とレンは鴉との戦闘の時を思い出す。
助けに来た加州が繰り出した技は素早く三回刀を突き出す技だった。

「あれがそうだったのかな…。」

「え、見たことあるの?」

レンの呟きに、大和守が意外そうな声を上げる。

「七海さんを助けに行った時に清光が三段突きっていう技を使ってたかな、って。」

「あぁ。そういえばそんな事言ってたかも。」

大和守は、レンの答えに納得する。

話に花を咲かせている間に丁度宿の裏側に着いて、一度足を止めた。

「何もなかったね。」

大和守の言葉にレンは頷いて同意する。

ここから、もう少し歩けば次の十字路に差し掛かる。

「あの通りから表通りに回りましょう。」

レンは指をさしながら言うと、大和守もそちらを見て頷いた。

「そうだね。そっちから行こうか。」

二人は頷き合って、また歩き出した。
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