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君に届くまで

第80章 五稜郭にて





五稜郭にて集められた審神者は、ざっと100人前後はいるのではなかろうか。
広い会場は、審神者とそのお供の刀剣で席が埋め尽くされている。
その中で、レン達は七海のご意向により、最前列の席が用意されていた。

「本日はお忙しいところお集まりいただき、誠にありがとうございます。」

司会者と思しき女性が部屋の端にあった司会者台に立つと、ざわざわとしていた室内に静寂が広がる。

「早速、本題に入らせていただきます。まずはこちらをご覧ください。」

そう言うと、何やら機械を操作し始める。
すると、手元にあるタブレット型PCに文書が表示された。
そこには、加州清光、和泉守兼定、大和守安定、堀川国広が突如として消えてしまう旨の文と共に、地区ごとの異常発生件数が載せられている。

「…どういう事だろう。」

燭台切は眉を顰めながら、文書を二度、三度と見返す。
消えてしまうとは、折れてしまって、という事なのだろうか。
それとも何の前触れもなく忽然と消えてしまうのか。

文書を読み終わった人達が、徐々にざわざわと騒めき出した。
レンは、周りをこそっと見回しながら人々の会話に耳を傾ける。
だが、何れも疑問の声が多く、要領を得ない。

「…誰も分からないみたいですね。」

「そうみたいだね。それに、この文面だけじゃ何とも言えないんじゃないかな。」

燭台切も周りをちらっと見ながら答えた。
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