• テキストサイズ

君に届くまで

第78章 番外編1




くしゅんっ!

レンは寒さにぶるりと体を震わし、身を縮める。

「風邪ひくぞ。」

鶴丸は自分の上着を脱ぐと、レンに掛けてやる。
レンは、鶴丸の温もりが残る上着に思わずどきりとした。

「あ、ありがとう、ございます。」

「どういたしまして。さて、そろそろ戻るか。」

鶴丸はそう言うと、立ち上がった。
それに倣ってレンも立ち上がる。

「鶴さんは寒くないですか?」

レンは、戻るのなら、と上着を返そうとするが、鶴丸は彼女の手に自身の手を重ねて首を横に振る。

「レンが着ている方がいい。風邪をひいたら事だしな。」

それを聞いて、レンは憮然とする。

「入院しないなら、私だってちゃんと病院行きますよ。」

「ははっ。どうだかな。」

鶴丸は優し気に目を細めると、レンの頭を撫でる。

「…じゃあ、お借りします。」

/ 1263ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp