• テキストサイズ

君に届くまで

第78章 番外編1



レンは上着の袖を通し、裾を合わせて冷気を防ぐ。
そして、部屋の方に歩き出そうとした時、

「レン。」

鶴丸に呼び止められ、手を取られる。

何だろう、とレンが振り返った瞬間、ふんわりと抱きしめられた。
次いで、鶴丸の匂いが彼女を包み込み、一瞬で息を呑んだ。

「…おやすみ。」

鶴丸は一言そう言って、すっと身を離して歩いて行った。

「おやすみなさい…。」

レンは驚き過ぎて、暫しその場で固まったまま鶴丸を見送った。



ーびっくりした…。

レンは内心ごちながら自室へと向かう。
鶴丸には悪戯を仕掛けられることが多いが、驚いたことは殆ど無かった。

案外シンプルなのが一番びっくりするものなのだろう、とレンは思うのだった。





〜fin〜

/ 1263ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp