第18章 完成した薬
薬研は、薬草を確認し、乾燥させても良い物は茣蓙に乗せ、その他の物は風呂敷に乗せる。
レンはそれらを軽く纏めて麻紐で縛り、茣蓙や風呂敷で包んでいく。茣蓙は外に置き、風呂敷は隣の空き部屋に置いておく。
次いで、台の上やら床やらの土や汚れを綺麗にしていく。
「出来ました。燭台切、いいですか。」
レンは燭台切に判定を求める。
「…OK。これでご飯が作れるよ。」
燭台切が答えると、レンは若干目を輝かせる。
「…大将が、ご飯を楽しみに待つ犬に見えるのは…俺だけか?」
「わたくしにもそう見えます。」
「ぼ、僕も…。」
薬研達は思う。
そんなにご飯に飢えているのか、と。
薬研は、ご飯を作る燭台切の隣で薬を作る。
レンのお陰で材料に事欠かず、先程の倍の量を作成している。
「大将、出来たぜ。」
「こちらも、準備万端です。」
レンはそう言って、先程の倍以上の粉砕した玉鋼を見せる。
「…いくつ崩したんだ?」
「4つです。」
薬研は頭を抱えた。
「入れればいいってもんでもないからな?」
「え?多いですか?」
「まぁ、今回はギリギリってことにしておこう。」
そう言うと、レンに混ぜるように促した。
「色がさっきよりも黒いですね…。」
レンは首を傾げる。
「…入れすぎなんだと思うぞ。」
薬研は若干呆れ気味に答えた。