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君に届くまで

第78章 番外編1




「レン〜!呑もう!」

「はい。レン、じゃんじゃん呑んじゃって!」

「レン〜!乾杯や!」

レンは代わる代わる刀剣達に呼ばれてはお酒を酌み交わす。


「私の体は一つしかないって事を、ちょっとは考慮してくれませんかね…。」

酌を受けすぎて、早々にふらふらになったレンは、空いている机に突っ伏した。

「大丈夫か?レン。」

声をかけられ視線を向けると、にこにこと笑う三日月が立っていた。
普段、和の服しか見たことがなかったレンは、多少の違和感を覚えつつも、綺麗に着こなすその姿をじっと見る。

「はっはっはっ。俺が気になるか?」

「気になるというより、綺麗な人は何着ても綺麗に纏まるものだな、と思って。」

レンが言うと、三日月は少し嬉しそうに顔を綻ばせて、自身の姿を振り返る。

「似合っているか?」

「えぇ、とっても。」

「そうか。レンも似合っているぞ。」

「ありがとうございます。」

三日月は、レンの前に腰を下ろした。

「レンと少し呑みたかったのだがな。無理そうだな。」

「そうですね。今は一旦休憩です。」

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