第78章 番外編1
渋谷のスクランブル交差点は、パレードで凄い人混みだ。
途中、さまざまな催し物を見たり、屋台コーナーで軽食を食べたりと、一通り満喫して帰ってくる。
彼等は思い思いにレンの手を取り、語らい、楽しいひと時を過ごす。
「たっだいま〜!」
「お土産買ってきたよ〜!」
大和守、加州、乱がお土産を掲げながら広間へ入っていくと、おお!と歓声が広がった。
「…つかれた。何が楽しいのかさっぱり分からない。」
レンも彼等に続いて広間へ入ると、すぐ後ろから大倶利伽羅がげんなりしながら入ってきた。
「同感だ。動きづらいし、いい迷惑だ。」
「あ、お疲れ様でした。明日にでもボーナスの件ですり合わせをしましょう。」
「期待してるぞ。」
ぽんぽんとレンの頭を撫でて部屋の隅へと歩いて行く。
「レン〜!もう一回写真撮ろうよ!今度は明るい所で!」
「はいはい…。」
加州が手招きしながらレンを呼ぶのを、彼女はやれやれと思いながらも素直に従う。
「おかえり、レン。魔女っ子、よく似合ってるよ。」
歌仙が、にこやかに笑いながらレンに声をかける。
「少し露出が多くないかい?」
次郎が揶揄う様に言うと、乱が手を横に振る。
「こんな時くらいしかレンは素直に着てくれないんだから言いっこなしなし。」
「パーティの準備しといたから、食べよう。」
「ありがとう!さっすが歌仙!」
彼等は嬉しそうに席に着いていく。
パンプキンパイにアップルパイ、ハッシュドポテトにパンプキンスープ、他色々ジャックオーランタンを象った可愛い料理がずらりと並ぶ。
「準備しといて正解だったね。」
燭台切が歌仙に言うと、彼は楽しそうに笑った。