第78章 番外編1
「…その見方の方が返って恥ずかしいんですが。」
レンは自身の頬に熱が集まるのを感じながら、帽子の縁で思わず顔を隠す。
鶴丸は慌てて、彼女の手首を掴んで帽子を上げさせた。
「悪いな。つい可愛くて…。」
自身を見るレンを見つめながら、鶴丸はそっと掴んだ手首を離した。
「折角綺麗にしてもらったんだ。胸張って堂々その姿を見せてくれ。」
鶴丸は、少し赤く染まった顔でふんわりと笑う。
レンは、恥ずかしさを忘れて、その笑顔に見入った。
ーわぁ…。
レンの中に感嘆がさざめく。
どうしてだか、鶴丸のその笑顔が綺麗に輝いて見えた。
「はいは〜い。レンは今日、俺達が手塩にかけて仕上げたんだからね!」
「鶴丸の独占はさせないんだから!」
加州と乱が言いながら横槍を入れる。
「さ、今からパレードだよ。レッツゴー!」
「あ…!ちょっ…。」
レンは加州と乱に腕を取られ、引き摺られる様に玄関へ向かう。
「俺達も行くか。」
「おう!」
それを微笑ましく見ながら、支度をした彼等も加州達に続いた。