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君に届くまで

第78章 番外編1



彼等は痛まし気に顔を歪めながら、気を失っている鶴丸に目を向ける。
レンが視線を追うと、そこには所々を血に染めた鶴丸が横たわっていた。
顔には泥や血が付いて痛々しく、白い着物は薄汚れていて赤と黒が入り混じる。

レンは言葉なく、崩れそうになる足を必死で留めてゆっくりと歩き出した。
そして、彼の側まで来ると崩れる様に座り込み、震える手で頬に触れた。

ーまだ温かい…。

 今手当てすればまだ間に合う。

レンは強張った体を必死で動かして刀に手を伸ばし、すらりと抜き去った。

すると、


「きれい…?」


刀身には傷一つ無い。

ーなら、この大怪我は一体…。


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