第78章 番外編1
午前の攻防が終わり、一息ついたお昼前。山姥切が歌仙と燭台切からの伝言を伝えに審神者部屋に現れた。
「ずんだ餅を作ったから厨に取りに来いと言っていたぞ。」
「…何で本人達が言いに来ない?」
山姥切の伝言に大倶利伽羅は眉を顰める。
「よくは知らないが、手が離せないからと言っていた。取りに行くのは一時間経ってからの方がいいそうだ。」
「…時間制限付きですか。」
レンがちらりと大倶利伽羅を見ると、彼は眉を顰めて考え込んでしまっていた。
「罠の可能性大ですよね?行かなくていいんじゃないですか?」
レンは、迷う必要があるのかと首を傾げる。
すると、山姥切は大倶利伽羅を見た。
「大倶利伽羅はずんだ餅が好物なのだろう?燭台切が言っていたぞ。」
「あぁ、それで…。」
レンは、それを聞いて考え込んだ。
燭台切と歌仙が作ったのであれば、きっと買うよりも美味しい出来になっている筈だ。
食べ物には仕込んでいない筈なので、攻撃があるとすれば行きと帰りの最中だ。
だが、今は何処にいようと安全な所は無い。
だったら、十分気を付ければ大抵は防げる筈。
「…とりあえず、伝言は確かに受け取りました。」
レンはそう言って山姥切を見ると、彼は静かに立ち上がる。
「ずんだ餅の件は考えとく。」
「分かった。燭台切達にはそう伝えておく。」
大倶利伽羅の返事に山姥切は頷くと、部屋を出て行った。