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君に届くまで

第78章 番外編1



「ふふっ。」

ボン!という音と共に変化が解かれ、可笑そうに笑うレンが現れた。

寝室から見ていた大倶利伽羅も苦笑しながら、レンを見上げる。

「やり過ぎじゃないか?」

「やられる前にやり返すが私の信条ですので。」

レンは言いながらすとん、と天井から飛び降りる。

「さて、これで今夜はゆっくり眠れそうですね。」

レンはすたすたと布団に戻り、大倶利伽羅は少し困った様に笑いながらレンの後に続いた。





一方、逃げ帰った薬研達は、粟田口にいた加州達に事の説明をする。

「それ、絶対レンの変化だよ。」

「前に山姥に化けたレンに脅かされた事あるもん。」

加州と大和守は、やられた、とぷくっと頬を膨らます。

「夜はダメだ。レンも夜目が効くから勝負にならない。」

「無理無理。あんなん見たらまとに対峙出来ないって。」

薬研と厚は畳の上にひっくり返る。

「「怖かった…。」」

鯰尾と小夜もぼそりと呟いてひっくり返った。

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