第18章 完成した薬
―転移門―
「これはキツイな。」
薬研は、息を切らし汗だくで呟く。
「はい…。一度だけだったらそうでもないんですが、周回するととても体力がいるんです。」
五虎退も息を切らし、座り込んで話す。
「次はわたくし達が交代いたしますよ。」
鳴狐は言う。
「俺の時も、こんなに頑張ってくれたんだな。2人とも、ありがとう。」
薬研は遠征の大変さを実感し、自分の為に動いてくれた五虎退と鳴狐に感謝した。
「僕はいいんです。したくてしたんですから。
鳴狐さんに言ってください。助っ人を探していた時に名乗り出てくれたんですよ。」
五虎退はにっこり笑って言った。
鳴狐は何も言わず微笑む。
「鳴狐は、どういたしましてと言っていますよ。」
「ははっ。さすが相棒だな。」
その時、レンの影分身達が近づいてきた。
「そろそろ全体休憩を入れますか?私達のチャクラも切れそうですし。」
「そうだな。一度厨に戻るか。」
「休憩が少なかったから、だいぶ資材も集まりましたしね。」
五虎退はそう言って麻袋を少し揺すると、ごろごろと玉鋼の音がした。