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君に届くまで

第18章 完成した薬



「…燭台切はどれくらいの怪我なんですか?」

レンは不意に燭台切に尋ねる。

「僕はいいよ。大したことないし…」

大丈夫、と言う前にずいとレンに間合いを詰められる。

「どれくらいの怪我なんですか?」

「ぜ、全体的に、擦り傷があります…。」

燭台切は思わず敬語になりながら仰け反った。

「五虎退と比べてどちらが怪我が酷いですか?」

「…うーん、同じくらいじゃないかな。」

燭台切は五虎退の様子を思い出しながら言う。
レンはそうか、と呟きながら何やら考え込んだ。

ー何なんだ、一体。

燭台切は怪訝な面持ちでレンを見る。

「ちょっと、出かけます。」

レンはそう言って出口に向かう。
また術式でも調べにいくのだろうか、と思っていると、思い出したかのように、レンはくるりと振り返る。

「茣蓙か大きい風呂敷があったら数枚用意しておいてください。」

そう言ってレンは出て行った。
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