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君に届くまで

第78章 番外編1




真夜中に差し掛かり、寝室で寝ていたレンは微かな足音を聞きつけ、薄ら目を開ける。
隣に寝ている大倶利伽羅は、すやすやと寝息を立てており気付いた様子はない。
気になったレンは、素早く天井に飛び移ると、欄間から書斎部屋を覗いてみる。

「早く、早く…。起きちゃうよ…。」

微かに話し声が聞こえてくる。
何か仕込む気だな、と判断したレンは、暫し黙考する。



「よし…。」

レンは何かを思いつくと、大倶利伽羅の側に静かに歩み寄り、彼を揺すり起こした。

「…んん…?…なんだ…?」

微かな声に、レンは人差し指を口の前に立てて、沈黙を促すと同時に書斎部屋を指さした。
大倶利伽羅が察知して小さく頷くのを確認すると、レンは窓からそっと外へ抜け出していく。
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