第78章 番外編1
時は少し遡り…。
「ねぇ!レン!面白そうなお知らせが入ってるよ!」
長閑な昼下がり、審神者部屋で書類仕事をしていたレンは、本日の近侍である大和守の声に顔を上げた。
「ハロウィンの仮装パレードの許可についてだって!」
「…何ですか、はろうぃんって。」
レンは聞いたことがない言葉に片眉を上げる。
「外国のイベントだね。10月31日は神様がいなくなるから、お化けの仮装をして”お菓子くれなきゃイタズラしちゃうぞ”って子供が家々を練り歩くのが慣わし。」
「って事は子供の行事でしょう?」
「そうでもないよ。日本だと東京とかで大人も思い思いの仮装して楽しむイベントがあるんだよ。ほら、それがこれ。」
大和守はそう言って、持っていたお知らせの紙と一緒にパンフレットをレンに渡す。
見てみると、人間だけでなく刀剣もこの日は外に出ても良いというお達しだった。但し、正体がバレにくい様にメイクや変装を施す事とある。
レンは一通り目を通すと、大和守に返した。