第75章 忍界大戦8
「これ、渡しとく。」
そう言って、シカマルは鶴丸に紙を差し出した。
開いて見てみると、何かの方陣が描かれている。
「これ、何だ?」
鶴丸は首を傾げてシカマルを見た。
「こっちに来る為の方陣だ。地面にこれを描いてチャクラを流せばここに着く。」
それを聞いて鶴丸と薬研は瞠目する。
「それをどうするかはレン次第だ。だが、持っておいて損はねぇだろ?」
にっと笑うシカマルに2人は微苦笑を浮かべた。
「準備がいいな。」
「ありがたく頂戴する。」
鶴丸は受け取った紙をしっかり懐にしまった。
「レンのねぇちゃんが起きたらよろしく言ってくれってばよ。」
「元気でね。」
「また会える日を楽しみにしてるわ。」
ナルト、サクラ、いのが代わる代わる声をかけた。
「ありがとう。みんなにも宜しく伝えてくれ。」
薬研が穏やかに笑いながら返すと、4人は同じように穏やかに笑う。
鶴丸も嬉しそうに少し笑った。
薬研と鶴丸は方陣の中央に立つ。
「行くぞ!」
シカマルの合図で4人は一斉にチャクラを流すと、眩いばかりの光で満たされた。
次いで、鶴丸と薬研の視界がぐにゃりと歪み始める。
「達者でな〜!!」
ナルトの声を最後に、2人を光と静寂が包み込んだ。