第75章 忍界大戦8
ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…
遺跡に着く頃には案の定、鶴丸の息は上がって切れ切れだった。
忍達は疲れなど微塵も感じない様子で、起動の準備に取り掛かっている。
「お疲れさん。大丈夫か?」
薬研が苦笑しつつへたり込んでいる鶴丸に竹水筒を差し出した。
「あ、ありがとう…。」
鶴丸は疲労で疲れ切った腕を上げて、それを受け取った。
あまりに疲れすぎて、途中挫けそうになったことも暫しあったが、何とか辿り着くことが出来て、鶴丸はほっと胸を撫で下ろす。
鶴丸達が一息ついている間に準備が整い、薄暗い祭壇に方陣の明かりが灯る。
「お〜い!いいぞ!」
ナルトの呼び声に鶴丸と薬研は徐に立ち上がる。
「たった数日なのに、何だか随分長い間いたような気がするな。」
「だな。」
彼等の中にここに来てからの様々なことが過ぎる。
何もかもが違い、何もかもが新鮮だった。
気のいい仲間に囲まれて、人の優しさに触れ、想いの尊さを知った。