第75章 忍界大戦8
「…よく分からないが、バカにされてるのは分かったぞ。」
鶴丸はムッとしながらシカマル達を見ると、彼等は首を竦める。
「や、や〜ね。違うわよ。」
「そうそう、可愛いって話をしてたのよ。」
サクラといのは慌てて取り繕うが、鶴丸は訝し気に彼女達を見る。
「…本当か?」
鶴丸がずいと顔を近付けると、彼女達は苦笑した。
そのやり取りにシカマルはため息をつく。
「ったく、めんどくせぇ。ほら、もう出発するぞ。」
面倒になった彼は話の流れを切った。
だが、鶴丸は得心がいかなかった。
「シカマルもサクラ達と何の話をしてたんだ?」
歩き出したシカマルに鶴丸は喰ってかかる。
鈍感、とは何のことなのかをはっきりとさせたいのだ。
「自分の胸に聞いてみろ。ちっと考えれば答えは自ずと出るだろうさ。」
シカマルはニヤリと笑って鶴丸を見返す。
「何でレンを触らせたくないのか、離したくないのか。逆に他の奴に触らせた時どう思うか、考えてみればいいんじゃねぇか?」
「触らせた時…?」
鶴丸はレンに意識を向けつつも考え始める。
「こういうのは自分で気づくことが肝要だろ。
ほら、日が暮れるから走るぞ!」
その掛け声と共に全体が走り出したものだから、鶴丸の思考はそこで途絶えてしまう。
レンを背負っているのだ。
気をつけることは様々ある。
彼女に負担がかからないように、全体から遅れを取らないようになどなど…。
他を考える余裕はあっと言う間に消え失せた。