第75章 忍界大戦8
「…ふ〜ん。そういうことか!」
「やだ!なんかワクワクしてきちゃった!」
サクラといのは、鶴丸の言葉にはしゃぎ出す。
「何がそう言うことなんだってばよ?」
ナルトは楽し気に鶴丸を見るサクラといのに尋ねると、彼女達から呆れた顔を向けられる。
「あんた、ほんっと鈍いわね。」
「そうよ。だからバカナルトって言われんのよ。今の聞いたら考えられることなんて、それしかないじゃない。」
幾らナルトが鈍いとはいえ、結構な言われ様である。
「えぇ〜…。益々分かんないってばよ。」
ナルトはぶーぶーと文句を言いつつ、渋い顔をするしかない。
薬研はそれを見て、彼の隣で苦笑する。
だが、上には上がいるものである。
「俺も何のことかさっぱり分からないんだが…。」
鶴丸本人も何を言われているのか分からない様だった。
それを聞いた一同は鶴丸を驚いて見た。
ただ一人、薬研だけは肩を竦めるに留まる。
鶴丸の一番身近にいるのだ。
彼がレンをどう思っているかは、よく見える。
こちらの世界に来てからより大きくなった独占欲は、家族愛からは少々逸脱し始めている。
「…無自覚ときたか。」
「人間じゃないからかしら?」
「それにしたって、ねぇ?」
シカマル、いの、サクラはこそこそと話し出す。
その気持ちが何かなど、誰に聞かなくとも分かるものだと思っている彼等だが、人はそれぞれだ。
人の数程、想いの形があるもの。
それは、刀剣である彼等も例外ではない。