第74章 忍界大戦7
いのが何気なく薬研達の方を見ると、
「……!?」
一瞬彼等が透明になって、体が透けて見えた。
いのは驚きの余り、彼等から目を離せずに手探りでサクラの体を叩く。
「…ねぇ、サクラ。今の…。」
消えかけた、という非現実に言葉が詰まる。
だが、サクラは落ち着きを払っていた。
「…レンさんが入院した頃から時々なるのよ。」
その言葉に、いのは驚いてサクラを見た。
「どういうこと?」
サクラは少し視線を伏せた。
「鶴丸と薬研には、レンさんのチャクラが流れてるの。だからレンさんのチャクラが無くなれば鶴丸と薬研のチャクラも無くなる。無くなると…。」
「消えるのね。」
サクラの説明に、いのが難しい顔をして言葉尻を受ける。
「どうにか出来ないの?」
いのの言葉にサクラは難しい顔をする。
「今、私やシズネさん、綱手様が交代でレンさんにチャクラを流してるけど、日に日に衰弱していってるの。栓の抜けたお風呂に水を張っているような感じでね。ちっとも溜まらないのよ。
鶴丸達が言うには、レンさんは向こうの世界で、ある契約をしているから魂が本丸って所に結びついてしまってて、離れることが出来ないらしいの。チャクラが溜まらないのはそのせいだろうって。」