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君に届くまで

第74章 忍界大戦7



「で、2人はどうだった?落ち込んでなかった?」

サクラがいのに尋ねると、いのは首を横に振る。

「ぜーんぜん。元気だったわよ。思い出す暇もなかったんじゃない?」

それを聞いてサクラは大きくため息をつく。

「まったく。もっと早く外に出せば良かったわ。」

「そうやって文句言いつつも心配してた訳だ。」

いのが揶揄いを含んだ声音で言うと、サクラは少したじろいだ。

「そ、そりゃね。患者だもの。」

ツンとそっぽを向く彼女の頬はほんのり赤い。
素直に心配してたって言えばいいのに、といのはこっそり笑う。

「それに、あんな風にこの世の終わりみたいな落ち込み方されたら誰だって気になるわよ。」

それには同意する、と言うようにいのは頷く。

「凄い落ち込み方だったわよね…。私、お見舞いに行ったけど5分も一緒にいられなかったわ。」

あれはドン引きだ、とその時の様子を思い出す。

「まぁ、そう考えたら病室を出る気になって良かったんじゃない?」

いのが笑うと、サクラも笑った。

「そうね。出して正解だったわ。」

追い出した、とも言うが…。

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