第74章 忍界大戦7
「あら、やっと来たわね。」
エプロン姿のいのが、シカマル宅の玄関でナルト達を出迎える。
「…何でそんなにボロボロなの?」
彼等の出立ちを見たいのは怪訝な表情を浮かべた。
髪はボサボサで、木の葉が身体中に付いており、服も少し破けている。
「散歩に行ったのよね?」
少なくともサクラからはそう聞いていた。
「あー…、いや〜、話せば長くなるってばよ…。」
「食い物絡みでチョウジが、な…。」
いのはそれを聞き、チョウジを見ると、後ろの方でもぐもぐと機嫌よく食べている。
「どういうこと?」
「まぁ、色々あって。辛子入りの饅頭をチョウジが食べてしまって怒り狂ってな。」
「それを宥めるために俺達の差し入れをあげたんだ。」
鶴丸と薬研は疲れたようにして事情を簡単に説明する。
チョウジと付き合いの長いいのは、それを聞いただけで何となく事情を察した。
「…あ〜、大体分かった。で、その原因がナルトなのね。」
「な、何で分かるんだってばよ!?」
ナルトは驚いていのを見る。
だが、いのはナルトともそれなりに長い付き合いである。なので事情を察するのは容易いことだ。
「変に隠そうとするからよ。ばかね。」
いのは呆れた目でナルトを見て、腰に手を当てた。
「とりあえず、服の汚れを払ってから上がってよ?家の中が砂だらけになるから。」
そう言って、台所の方へと戻って行った。
「…すげぇな、いの。」
ナルトは尊敬の眼差しでいのを見送る。
「女の目は誤魔化せねぇってこった。」
シカマルは言いながら、玄関先で上着の汚れを叩いて落とす。
彼等はシカマルに倣い、しっかり埃を落として家の中へ入って行った。