第74章 忍界大戦7
「ぶはっ…!やっぱりまだ仕込まれたってばよ!」
腹を抱えて笑うナルトの後ろで、鶴丸と薬研も顔を背けて笑った。
「…!水…!水ちょうだい…!」
「ったく…。だから言ったじゃねぇか。」
ほら、と言って、シカマルが持っていた竹水筒をチョウジに渡した。
チョウジは受け取った水をごくごくと飲み干していく。
ぷはぁ…、と一息ついた後、ナルトを睨め付けた。
「知ってたなんて、ひどいじゃないか!」
「わりぃなチョウジ。忍なら裏の裏を読めってな。」
正々堂々を主張していた奴が言えるセリフではない。
チョウジはそれを聞いて沸々と怒りを身の内に溜めていく。
そして、仕込んだ張本人は後の面倒を察して逃げた後だった。
「…それ、カカシ先生の受け売りだろ。」
「まぁな。けど、忍は騙したもん勝ちだってばよ。」
ナルトは悪びれる様子もなくにっと笑う。
「…ボクは食べることが大好きだ。大好きな食べ物に悪戯を仕込むなんて…許せない…!」
「「…え?」」
地を這う様なその声に、ナルトとシカマルは冷や汗を浮かべてチョウジを見た。
彼は尋常でない恐ろしい目つきになっている。
「食べ物の恨み!思い知れ!」
その怒声と共に、チョウジの手が大きくなっていく。
部分倍化の術だった。
「ま、待て、チョウジ…!」
「わ、悪かったってばよ。謝るから…!」
ナルトを始め、シカマル、鶴丸、薬研は退避を試みる。
ぎゃあああぁぁぁぁぁ!!!
ドォオオオン!!!
顔岩の頂上から、土煙と共に悲痛な叫び声が響き渡った。