第74章 忍界大戦7
「…それが目当てか。」
シカマルは苦笑する。
チョウジがこんな所まで態々足を運んだのはそれが理由なのだろう。
一方、言われたナルトは、何故かいい笑顔を浮かべる。
「いいぞ!チョウジにあげるってばよ!」
それを見て、シカマルは不審な目をナルトに向けた。
ナルトは食い意地こそ張らないが、一度貰った物を手放す時に多少なりとも抵抗を見せるのだ。
それが、今日に限っては全くない。
「…お前、何か企んでんのか?」
「いや、何も?チョウジには探してもらってわりぃなぁと思ったから、あげようと思っただけだってばよ。」
胡散臭い、とシカマルは思う。
ふと、後ろに鶴丸と薬研の姿が目に入る。
その顔は、困った様な笑いを堪えているような、何とも言えない顔をしていた。
やっぱりこの差し入れには何かある…。
「チョウジ、やたらと人から貰うもんじゃねぇぞ?」
「そんな事ないって。街の人からの差し入れでしょ?」
シカマルはやんわり止めるも、チョウジは聞く耳を持たず、ナルトの取り分を全て受け取ってしまう。
「うまそ〜。いただきま〜す。」
そして、あろうことか饅頭から手を付けたのだ。
「……!!げほっ!…!!辛っっ!!」
チョウジの顔がみるみる赤くなる。