第74章 忍界大戦7
「最初は格好からして、すっげぇ怪しい奴だとばかり思ってな、めちゃくちゃ警戒したんだ。
だけど、すっごく寂しそうでさ。
あぁ、こいつもおんなじなんだって思ったんだってばよ。」
「寂しそう?」
薬研が聞き返すと、ナルトは頷く。
「あの時、今日里を出るんだって言ってたんだ。俺には、もう里には戻ることはないって聞こえた。」
鶴丸も空を見上げる。
今日は澄み切った秋晴れで、青空が綺麗だった。
レンはその時、どんな想いでそう言ったのだろう、と思いを馳せる。
「難しい質問されたのは覚えてんだけど、何聞かれたんだか、何て答えたんだか、あんまし覚えてなくてな。
けど、はっきり覚えてたのは最後の言葉だ。
火影になりてぇ、って言った俺の言葉を鼻で笑い飛ばすことなく聞いてくれた。
そして、”その道を真っ直ぐ目指せ、立ち止まるな”って言ってくれた。」
ナルトはにかっと笑う。
「嬉しかったってばよ。真っ直ぐ目を見て話してくれたこと。励ましてくれたこと。だから、会ったのは一度きりだけど、よく覚えてた。」
鶴丸はそのままごろんと寝転がった。
「そうだったのか。」
2人は、何となく、主を誇らしいと思った。