第74章 忍界大戦7
鶴丸は、ふと、戦時中のことを思い出す。
「…なぁ。キミは…、レンとは何処で会ったんだ?」
本当はレンから聞こうと思っていたことだったが、彼女は今あの状態だ。
だったらもう一人の当事者に聞いてみるのも悪くないと思ったのだ。
「何だ?突然。」
「レンが、昔、言葉を交わした程度だと言っていたのが気になったんだ。
俺達は、レンのことをよくは知らない。だから知りたいのさ。折角こうして故郷にいるんだしな。」
鶴丸は笑う。
「ふ〜ん…。」
ナルトは相槌を打ち、昔を振り返る。
「…会ったのは一度きりだ。本当に少し話しただけだった。」
彼は、少し寂しそうに笑って空を見上げた。
「俺ってば、その頃は里中の嫌われ者でな。誰にも相手にされなかったんだ。一緒に遊ぶ友達もいなければ、面倒を見てくれる、甘えられる大人もいなかった。」
鶴丸と薬研は少し表情を曇らせる。
レンだけではなかったのか、と苦く思ったのだ。
「そんな中で、三代目のじぃちゃんだけが普通に話せる相手だった。けど、じぃちゃんは火影だ。俺に構ってる時間なんて殆ど無い。俺の周りには普通に話してくれる人が誰もいなかったんだ。
そんな時にレンのねぇちゃんが突然現れた。
あん時は、びっくりしたってばよ!道歩いてたら突然目の前に立ってるんだもんな。」
はははっ、とナルトは可笑しそうに笑う。