第74章 忍界大戦7
外に出ると、まだ木の残骸やら壊れた建物の撤去やらで、大勢の人が行き来していた。
「お、ナルト!これから何処かへ行くのかい?」
「ナルトか!これ持ってきな!」
会う人会う人に声をかけられ、差し入れを貰い、顔岩に着く頃には3人共両手が塞がってしまう。
「…この山は、どうすれば…。」
「俺、これ以上持てないぞ…。」
鶴丸と薬研は困惑気味に差し入れで埋まった両手を見る。
「いや〜。わりぃな。ま、折角だし、頂上まで行って頂き物でも一緒に食おうぜ。」
ナルトはカラカラと笑い、顔岩のすぐ側に設置されている急な階段をすいすいと登っていく。
対して、鶴丸達は彼に追いつくので精一杯だ。
「この急な勾配をものともしないとは…。」
「お〜い!がんばれ〜!」
頂上から顔だけ出したナルトが2人に手を振る。
「つ、着いたぁ…。」
薬研と鶴丸は芝生の上に座り込んだ。
「はははっ。お疲れさん。でも頑張った甲斐はあるんだぜ。ほら!」
そう言って指さす先には、
「「わぁ…。」」
里が一望出来る絶景が広がっていた。
吹き抜ける風が熱った体には心地良い。
「そうか。里で一番高い場所だから歴代の火影が彫られているのか。」
「だろうな!俺も正式に聞いたわけじゃねぇがな。それに、この下のすぐ近くには火影屋敷もあるんだ。」
ナルトは薬研の言葉に答えて、彼の隣に座り込むと足を投げ出した。