第74章 忍界大戦7
その時、
ゴゴゴゴゴゴ…
バキバキバキバキ…
木が倒れるような音と共に、レンが巻き取られていた木が枯れ始めた。
鶴丸と薬研は目を見開いて驚いた後、弾かれたように走り出す。
木の蔓は次々と開き、中から人が這い出してきていた。
「レン!」
「大将!」
鶴丸と薬研は、緩んだ木の蔓を毟るように開いてレンを引っ張り出した。
「レン!」
鶴丸の呼びかけにレンは全く反応を示さない。
薬研がすぐ様彼女の脈と呼吸を確かめる。
「…大丈夫だ。息はある。」
「じゃあ…、何で目が覚めないんだ…?」
薬研の言葉に、鶴丸はレンを支えている肩をぎゅっと掴む。
薬研もそれには答えようがない。
だが、思い当たる節はある。
「もしかしたら…。」
薬研は呟いて、レンの手をぎゅっと握り、眉を顰めた。
「本丸か…?」
「たぶん、な…。」
本丸からレンが切り離されている。
原因はそれしか考えられない。
昨晩はレンが起きていたから、自ら清浄な気を取り込むことが出来た。
だが、今は…。
一難去ってまた一難。
鶴丸達は、途方に暮れるしかなかった。