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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第41章 歳の差のせいにだけはすんなよ




『ところで。もう、中崎さん呼びは やめちゃったの?』

「うん。2人の時は、やめた。あ、でも、皆んなの前ではちゃんとすっから。安心していいかんな」

『本当?ありがとう』

「俺、もう子供じゃねぇから。えっと、コーヒー近藤?は、しねぇの」

『公私混合ね。リズムだけで言葉を覚えるにも程があるよ』


使い慣れない言葉を、背伸びして使おうとする環。高校生らしくて実に微笑ましい。


『じゃあ、早く外行こう。タマちゃんも、花火楽しみにしてたでしょう?』

「俺が楽しみにしてたのは、あんたとする花火だから」

『ふふ、ありがとう。一緒に花火しよう』

「なぁ。その前に、これ押して」


環がポケットの中から取り出したのは、私が彼にあげたスタンプカードだった。


『いま押すの?後じゃだめ?』

「今がいい」

『もう…しょうがないなぁ。タマちゃんは』

「そうやって、なんだかんだ、いつもスタンプ持ち歩いてくれてるのな」


私はそれに笑顔で答え、スタンプを押してやる。


『あれ…?いくつ押せば良いんだっけ?』

「えぇー。数えてなかったのかよ…。さっき外で呼んだので、5個!」


私が数え損じていた事に対して、頬を膨らませる環。そんな彼に、ごめんごめんと言いながら スタンプを押し終わる。

すると…。ついに、空欄が全て埋まったのである。


『あぁ。だからタマちゃん、苗字呼びはもうやめたって言ってたんだね』

「へへ。そういうこと」

『そっか!おめでとう。
で…スタンプカードを見事 満タンにした、良い子の環君は 私に何を望むのかな?』


この際だ。私とのデートでも、王様プリン100個でも、なんだって叶えてあげよう。

綺麗に埋まったスタンプカードを再び手にした環は、ゆっくりと口を開いた。

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