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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第41章 歳の差のせいにだけはすんなよ




『すみません、勝手について来てしまって』

「とんでもないです!こちらこそ、わざわざ送っていただき ありがとうございます」

『実は…私…貴女に、どうしても聞いて欲しい話があって。凄く、大切な話なんです』

「…大切な、話 ですか?」

『はい。だから、どうしても 小鳥遊さんと2人で話がしたかったんです』

「っ…あの、私も…中崎さんに、聞いて欲しい話が…」


予想外だった。まさか紡の方にも、私に話したい事があるとは。
それが何なのかは、私の知るところではないが、彼女の瞳は真剣だった。


『奇遇ですね。
では、私の方からお話ししても?』

「は、はい…!」

『私が貴女に聞いて欲しいのは… 告白 なんです』

「〜〜っっ」

『…え?大丈夫ですか?心配になるぐらい顔が赤いんですけど』

「大丈夫じゃないです…けど、大丈夫です!!」


よく分からない事を口走る彼女は 今にも倒れそうな顔色をしているが、私は続ける。


『私、実は女なんです』

「はっ、はい!実は私も以前からっ…!
って、……え??いま、何と…仰いましたか?」

『女です』


紡は、私の顔を見たまま石像のように固まってしまった。

フリーズする直前に彼女は、私も以前から。と言っていただろうか?
彼女が以前から女である事など、当然のように知っているのだが。一体どういう意味だろう?


「中崎さんの、話ですよね?え?…女性…って、事ですか?」

『はは。はい。一応』


少しずつ落ち着き取り戻した彼女は、相変わらず私を食い入るように見つめた。
その様子を見れば、私が男であると信じ込み、微塵も疑っていなかったことが窺える。


『あぁ…スッキリした』

「で、ではどうして…そのようなお姿を?」

『今で、騙していてすみせんでした』


謝罪の後、私は紡に説明をした。

男装が、事務所命令である事。仕事をする上で、男の方が何かと都合が良い事。


本当はそこに、Lio と私が 同一人物であるというイメージを、周りに抱かせない為。という理由もある。

まさか、Lioが男の姿をして 男性アイドルのプロデューサーをしているなどとは、誰も思わないだろう。

が、小鳥遊紡にはそこまでは話さなかった。さすがに、Lioの正体が私であると打ち明けるつもりはない。

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