第41章 歳の差のせいにだけはすんなよ
「きゃぁああぁっ!」
紡の悲鳴が、辺りを切り裂いた。
一体どうして私を見て叫んだのか?しかも彼女は、私の額を見て叫び声を上げたのだ。
「どっ、どど、どうしたんですか!そのお顔…」
『顔?』
私は頭を傾けながら、天の方へ向き直る。すると、彼はすぐさま私から顔を背けた。
紡は、私におそるおそる手鏡を差し出した。それを受け取り、私は自らの顔面を確認する。
なんとそこには… かの有名な、正義超人が写っていたのである。
「マ、マネージャー?凄い声がしたけど大丈夫!?」
「おい何事だ!」
「蛇!?蜘蛛!?もっとなんかヤベーの出た!?」
「あ……春人…く、ん」
ドカドカと階段を降り、1階に降りて来た彼ら。
手鏡を覗く私に、いち早く気付いた龍之介の声は震えていた。いま、目の前で何が起こっているのか悟ったのだろう。
『…誰ですか』
「ま、まぁ落ち着け春人」
「うんうんそうそう!話せば、分かるって!なっ!な!」
『誰ですか。私を、キ●肉マンにしたのは』
「四葉だ」
「四葉環」
「環くん」
「うわあぁぁ!!TRIGGERに、秒で売られた!」
「仕方ないよ環くん…もう諦めて、土下座しよう。僕も付き合うからね」
「うぅ…そーちゃん…」
『まぁいいですけど』
「「「「「いいんだ!?」」」」」
その後、環は私に ごめんなさいをした。詳しく聞くと、眠る私を全員でおもちゃのようにして遊んだというではないか。
もはや悪いのは環だけでなく、その場にいた全員だろう。
誰がどんな悪戯を繰り出したのか、確認する事すら馬鹿らしい。