第40章 好きな人だったら、俺にもいんよ
そして、次に実行するのは龍之介となった。
「次は俺か。どうするかな…
あ、そうだ…うん決めた!今から準備してくるから、ちょっと皆んな待っててね」
彼はそう言うと、台所へと向かった。
皆んなが、龍之介は一体何をするのかと考える。色々と予想して待っていると、意外にもすぐに帰って来た。
その手に持っている物に、全員が注目する。
龍之介が手にしていたのは、桶だった。そしてその中には、水が入っている。
「リュウ兄貴、それなに?水?」
「惜しい!これは お湯だよ。ぬるま湯だね。あとは、これを こうして…」
龍之介は、春人の手をゆっくりと優しく、ぬるま湯に浸けた。
そうして…
どれくらい時間が経っただろう。おそらく5分は経ったと思う。どうなるのが正解か分からない僕達は、互いに顔を見合わせて首を傾げた。
すると龍之介は、爽やかな笑顔を浮かべて言った。
「あはは。やっぱり、あの話はデマだったんだな」
「どういう事だ?あの話って何だよ」
「知り合いに聞いたんだ。酔った人間の手をお湯に浸けると、おもらししちゃうんだってさ」
「「「「えぇ!?」」」」
さらりと凄い事を言った龍之介。その言葉を聞いた他のメンバーは、思わず驚きの声が口を突いて出た。
「ちょ、龍…それ、悪戯じゃなくて実験じゃないの?」
「おまっ…それ、もしガチネタだったらどうしてたんだよ!良かったなガセで!!」
「リュウ兄貴…中崎さんが漏らすとこ、見たかったのか?」
「十さん…っ、なんて恐ろしい人なんだ…!」
「これって壮五くんに、そこまで言われちゃうくらいヤバイ悪戯だったのか…。もう封印するよ。うん」
そして、次にじゃんけんに負けたのは楽だった。次こそは、ソフトな悪戯が拝みたいものである。