• テキストサイズ

引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第40章 好きな人だったら、俺にもいんよ




マネージャーが靴を脱がせ、天がベットへと寝かせた春人。
その顔色は随分と良くなり、静かに胸を上下させている。
少し前までは 苦しそうに呻き声を上げていたのだが、今ではそれも治った。


「壮五くんの言う通り、疲れが溜まっていたのかもしれないね」

「はい。きっとそうですよ」

「いやいや、ぜってーカレーのせいだかんな」

「………」

「??
天、どうかしたか?」


楽は、天を見つめて 声を掛ける。
実は、春人をベットへと下ろした時から ずっと天の様子がおかしいのだ。
何かを深刻に考え込むようなそぶりで、自分の手をじっと見つめている。

まるでそれは、触れてはいけない物に 触れてしまったような。自分の手に宿った違和感を、懸命に探っているような。上手く表現出来ないが、そんな具合だった。


「…うん。なんでもない。
プロデューサー、最近ずっと今日の企画考えてたみたいだったし。本当に疲れていたのかもね」

「だな。
それにしても、よく寝てるな」

「そうだね。しばらく寝かせてあげようか」


TRIGGERの3人は、春人から離れようとしなかった。3人ともが物柔らかな表情をして、眠るプロデューサーを ただ見つめていた。

僕は、そんな彼らの表情を見て 思った。
本当に、春人の事を大切に想っているのだな と。

その温かい表情は、テレビで観るのとも、ステージの上で見せるのとも違っていて。彼らが心を許した春人にだから見せる、3人の素顔なのだろう。

/ 2933ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp