第40章 好きな人だったら、俺にもいんよ
『はい!はいはい!はーい』
「ちょっと。なに急に」
「大人しく飲んでたと思ったら、いきなりどうした」
これ以上、目の前で自分の話をされるのがキツくなってきた。だから強引に話題を切り替える為に立ち上がる。
計算通り、全員の視線を集める事に成功した。
『ここで、皆さんにお知らせです』
「え!?なになに!?いいこと!?」
『凄く良い事ですよ、四葉さん。
実はここのコテージ、明日まで抑えています。加えて 皆さん全員のスケジュールは、明日の昼までオフ。
と、いうわけで…今日は、皆んなでここに泊まりです。ゆっくり羽を伸ばして下さいね。
撮影を頑張ってくれた皆さんに、私と小鳥遊さんからのご褒美です』
「やったーー!お泊まりだ!」
「良かったですね、環さん。このご褒美の為に、撮影を土曜日にしたんですよ?明日は日曜日で、学校もありませんからね!」
『小鳥遊さん。ご協力ありがとうございました。
あ、四葉さん。花火もありますよ』
「わーーい!やるやるー!」
「あっはは!いっぺーうっさーーん!」
※凄く嬉しいよ
「それで、やたらと荷物が多かったんだ」
「素直に喜べよ天。たまには大自然の中で、ゆっくりするのもいいよな」
「わーい!お泊りうれしぃねぇ、たーくんっ」
「よしよし、良かったなぁ。でもたーくんって呼ぶなよな?」
環は、抱き着いてきた壮五の頭を 優しく撫でてやりながら言った。
龍之介もそうだが、壮五もかなりベロベロだ。
そして、その場でダラダラと過ごす事2時間ほど。もう皆んなお腹も膨れ、そろそろコテージに戻ろうかという流れになったのだが。
1時間ほど前、トイレへ立った龍之介がまだ戻って来ない。
『龍、遅くないですか?さすがに』
「まさか!トイレで気を失ってたりするんじゃないですか!?僕少し見てきますよ」
壮五は、すっかり素面に戻っていた。
彼がコテージのトイレに向かおうとした その時。龍之介はひょっこり姿を現した。
「ごめんごめん!トイレで寝ちゃってたよ。すっかり酔っ払って…
何か、迷惑かけなかった?」
「べつに。いつもの、酔った時のキミだったよ」
「あぁ。いつもの、酔った時の龍だったな」
「あー…、あはは。また出ちゃってたかぁ」
龍之介は、酔った際に自分が沖縄弁になってしまう事を自覚しているようだった。
