第40章 好きな人だったら、俺にもいんよ
壮五が私のCDを持っているという、衝撃的事実をなんとか一度飲み込んで。私は再び彼らの会話に耳をやる。
いつどっちが、爆弾発言をするのかとヒヤヒヤしながら。
「だいたい、お前とLioじゃ、歳が離れすぎてるだろ」
「はぁー?歳なんか関係ねーし。あんた、歳の差とか気にして人を好きになんの?がっくんダッセー」
「なっ…!」
「ちょ、環くん!八乙女さんに失礼だよ!さすがに…」
「いいんじゃない?お酒の席だし無礼講でしょ」
「こいつは酒なんか飲んでねぇんだよ!素面だ!」
「あっはは!どぅちらん ちばりーよー!」
※どっちも頑張れ
ついには龍之介が沖縄方言を使い出した。これより、彼とのコミュニケーションは計れなくなった。
いやそれよりも、問題は環と楽だ。2人のボルテージは益々の上々をみせる。
「それより逢坂」
「にゃんですか?」
「にゃ…って。呂律回ってねぇな。
いやそうじゃなくて。今度、そのCD焼き増しして俺にもくれないか?」
「えーーっとぉ、そうですねぇー?どうしようかなぁ。えへへ」
「そーーちゃん!!あんた!俺があんだけ言ったのに飲み過ぎだって!」
「お、おい、逢坂が壊れたぞ、天」
「やだね。酒に飲まれる大人って。まぁ、うちにも絶賛飲まれ中のメンバーがいるけど」
「あっははは!むる ゆくぬま!」
※皆んな もっと飲もう
まさか、常識人である壮五の酒癖が こんなにも悪いとは。また1人、コミュニケーションの図れない人が増えてしまった。