第39章 組み紐をひいたのは
「さぁ環くん!僕達は何を作ろうか?君は何が食べたい?」
「んー…TRIGGERは肉料理作るっぽいし、他に食いたいもんは…
あ!カレーとか良くね!?」
「いいね!それは良いアイデアだよ!じゃあ僕達はカレーにしよう」
どうやらMEZZO"も、作る物が決まったらしい。
肉に、玉ねぎや人参。ジャガイモといった定番の食材を調理場へ持ち帰る2人。
壮五はそれなりの手つきだが、環はかなり危なっかしい。包丁ではなくピーラーを使い、食材の皮を剥いていく。
ここで、天にカンペが出される。そこには “ どちらのチームが勝つか、予想して ” と書かれていた。
「両チーム共、早速 調理に取り掛かりましたね。一体どちらのチームが勝つでしょうか。
ボクの予想だと…やっぱりTRIGGERチームかな。楽と龍は、かなりの腕前なんです。ボクが言うのもなんですが、2人の料理は美味しいんですよね。
でも、MEZZO"チームの腕前が未知数なんで、分からないですけど。四葉さんは、明らかに料理慣れしていない様子ですが…逢坂さんの手際がかなり良いんで、出来上がる料理に期待です」
スムーズなコメントの後。少し時間を置いてから、また各チームの様子を見に行く。
楽は、肉の焼きに入っていた。
「モモ肉がちょうど良い感じに常温だったから、もう焼いていくぜ。
ローストビーフは、肉が常温に戻ってるかがすげぇ大事なんだ」
焼き過ぎないよう、注意を払って火入れをしていく。そこから少し離れた場所では、龍之介がソース作りに取り掛かっていた。
「たくさん果物があったから、美味しいソースが出来ると思うよ。それに、良い赤ワインも見つけたんだ。
期待してて。きっと美味しいローストビーフになるよ」
そう言って、食材を細かく切る彼は、もはや料理人であった。
それにしても、良い男が外で汗をかきながら料理を作る図は どうしてこうも絵になるのだろう。
この企画を提供してくれたファンに感謝である。