第39章 組み紐をひいたのは
「本番いきまーす!はい、5.4.3……」
「お!随分バーベキューらしい雰囲気になって来たな!」
「そうですよね。ふふ…この長い串を見たら、やっぱり食材を刺したくなります」
「はは…壮五くんが持つと、串が武器みたいに見えるのは何でだろう」
「なぁなぁでもさぁ、何で野菜ばっかなわけ?ぜんぜん見当たんねんだけど!肝心の、お肉が!」
嘆く環に、天がすかさず説明を入れる。
「良いところに気が付いたね、四葉さん。
そう。お肉は今からここに用意されるので、それを使って 皆さんに次の対決をしてもらいます」
「なるほどです!お肉が次のお題と関係してるんですね!」
「ということは、次は料理関係の対決になるのか…」
「望むところだな。俺も龍も、料理は得意だぜ」
「料理……うーー…出来る気がしねぇよー」
4人がそれぞれの反応を見せる中、天が遠くを指差した。その方向から、何かがゆっくりと近付いてくる。
皆んなは、一様にそちらへ目を凝らした。何がやって来たのか、ようやく悟ったメンバーは絶句した。が、天はあっさりと言った。
「ほら、来たよ。新鮮なお肉が」
やって来たのは…首に縄を付けられた、生きた豚だった。
「「「「新鮮過ぎる…!!」」」
「お察しの通り、次の勝負はこちら。
TRIGGER VS MEZZO" 、豚を捌く事が出来るのはどっち?
です」
「です。じゃねえよ!!ぜってー無理だって!むりむりむり!!」
「バ、バーベキューの肉って言ったら…、普通は、牛だよね?ねぇ?」
「おい龍。お前が気になったのはそこか?気持ちは分かるがテンパり過ぎだ」
慌てふためくメンバーを前に、天は冷静に包丁を差し出した。
「はい。誰からいく?早い者勝ちでどうぞ」