第38章 待っててくれますか?
『私は千じゃないから、よく分からないけど。でも、私にも分かる事はあるよ。
それは、千がRe:valeを愛してるってこと。昔のRe:valeじゃなくて、今のRe:valeをね。それは、私なんかより百の方が分かってるよね!』
「エリちゃん…」
『それに、私も 今のRe:valeが大好きだよ。
ま、昔のRe:vale知らないから比べようがないだけなんだけど』
「エリちゃん!?」
私の小さなボケに、腹を抱えて笑う百。もう完全に吹っ切れたようだ。やはり彼には、この明るい笑顔が1番似合う。
それにしても、旧Re:valeか…。一体どんな人が、千の相方を務めていたのだろう。
自由奔放な千をコントロール出来る人間だ。きっとかなりの包容力の持ち主に違いない。叶う事ならば、1度で良いからお目にかかってみたかった。
「ありがとう。エリちゃんのおかげで、凄い元気出ちゃった!モリモリ元気が出たところで、モリモリお肉食べちゃおう!」
『いいね!じゃあ牛タンとロース!』
「いっちゃおう いっちゃおう!特上いっちゃおー!」
テーブルいっぱいに並んだ肉。幸せ溢れる光景。もはや眼福である。
トングで掴んで、網の上に広げていく。
「そういえば、今日は男装エリちゃんなのに敬語じゃないんだね。オレは嬉しいけど、珍しいなって思ってたんだ。もしかして無理してるんじゃない?」
『無理はしてないよ。敬語使ってないのは、意識してそうしてる。じゃないと、エリが春人に乗っ取られそうなんだよね』
「乗っ取り?なにそれ怖い話?」