第5章 さぁ、何をお作りしましょうか?
「……本当にそれ、あのプロデューサーが言ったの?」
「わ、わぁ…」熱烈
「マジだ。俺がこの耳で聞いた。貴方じゃなきゃ駄目だとか、30分でいいから、とかな。
相手の女は多分まだ仕事中で、会う事渋ってたっぽいな。それなのに御構い無しでグイグイ押してたんだよ!」
「うーん…春人くんが?…全くイメージ出来ないけど…」
「楽が寝ぼけてたんじゃないの?」
「…全く信じてねぇな、お前ら…」
「「うん」」
「…分かった。おい」
「「?」」
「一緒に来い。あいつのあと、尾けるぞ」
『やっと帰れる!』
長い長い電話の後、私はビジネスバッグを肩に掛けてすぐに事務所を飛び出して 地下駐車場へ直行した。
「ちょっと待ってって!こんな走ったって、尾行なんて無理だってば。向こうはバイクでしょ?」
「タクシーで追いかける!まぁなんとかなんだろ」
「車でバイクに追い付けるかなぁ…」
私は、まさか3人に尾行されているなど夢にも思っていない。
ただ目的地に向かってバイクを走らせる。
「はい、こんばんは。どこに向かいますか?」
「あれだっ、急いで前のバイク!追ってくれ!」
「え…、お、お兄ちゃん達、バイクは難しいってー。こっちは車だから多分すぐ見失うと思うよ?」
(なんだこの綺麗過ぎる子達は…)
「お願いします!そこをなんとか…」
「いや、そうは言ってもねぇ…」
「おい天。お前の得意のアレ。見せてくれ」ぼそ
「…しょうがないな。結局ボク頼りなんだから…
おじさん…!あの…お願いします♡」きゅるん
「うっ…!!わ、分かった!おじさんもドライバー歴25年のベテランだ!必ずあのバイクについてってやる!」
「…凄いを通り越してもはや恐ろしいよな」
「う、うん…」
「ふん」どやぁ