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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第5章 さぁ、何をお作りしましょうか?




彼らが仕事場から事務所に帰って来たら、すぐに楽に謝ろう。

私はそう決めていたのだが、それは一筋縄ではいかなかった。


『八乙女さん。お話があります』

「俺には無い」


うーん…取りつく島も無いとは、まさにこの事。
少し時間を空けてから、再度チャレンジする。



『八乙女さん。お話があります』

「後にしろ」


後にしろと言われたので、また時間を置いてチャレンジ。



『八乙女さん。お話があります』

「もう帰るんだよ」

帰ると言われて、引き止めるわけにはいかない。もう時間も遅いので尚更だ。


『……分かりました。お疲れ様でした』

「………」



「…八乙女さん。お話があります」

「うわ!!なんだよ天かよ…びっくりした」

「さすがに少し可哀相じゃない?彼、3回もそう言ってたのに」

「そうだよ楽。きっと春人くんは、謝りたいんだと思う」

「………」

「というか、謝罪したいと思ってる相手から逃げ回るなんて。まるで子供みたい」

「あーもう分かった!話すればいいんだな?くっそ、なんで俺が悪いみたいになってるんだよ…」

「楽!春人くんが謝って来たら、ちゃんと許してあげなきゃ駄目だからな」

「うるせぇよ!俺の母親かお前は!」




『…はぁ』

今日はもう仕事も一段落したし、私ももう引き上げるとしよう。

それにしても…自業自得とはいえ今日は疲れた。


私には、こういう疲れた日には、必ず向かいたくなる場所がある。

楽が近くまで来ているなんて全く知らない私は、ポケットからスマホを取り出して ショートカットメニューから通話ボタンを押す。

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