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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第36章 どうか俺と




「いや それにしても。トップアイドルRe:valeを、2人とも虜にするような女性って、一体どんな人なんだ?」

「興味ある?」

「正直、凄くある」


1度しっかり頷くと、千は真剣に考えるような仕草を見せる。が、返って来た答えは、俺にとって残念な物だった。


「秘密」

「なんだよ…少しだけ期待したのに」

「ふふ。ねぇ万。
TRIGGERについてるプロデューサー、会った事ある?」

「え?」


随分とまた強引に話を変えたものだ。
もうこれ以上、自分の想い人は話題にしてくれるなという事だろうか。

触れて欲しくないのなら、そこは触れない。俺は素直に、千が提供した話題に乗っかる。


「噂には聞いてるけど、直接会った事はまだないな。
中崎春人くん、だろう?実は去年の末、うちとちょっとしたトラブルがあって。その時にわざわざ出向いてくれたらしいんだけど、ちょうどその時 俺は別仕事で出てたんだ。それさえなければ、きっと会えてたのになぁ」

「ちょっとしたトラブル?」

「……言っとくけど、さすがに言えないからな。いくら千が相手でも。
お前も分かってるだろ?この業界では、軽口は命取りになるって」

「まぁね。じゃあそうだな…当ててみようか。多分、IDOLiSH7の新曲についてだ。

あぁ、もう椅子は倒さないでね」


千にそう忠告されなければ、おそらくまた同じ過ちを繰り返していただろう。
だが、なんとか踏み止まれた。


「な、何でそんなに簡単に言い当てるんだ!」

「あの曲聴いた時、頭の中に春人ちゃんの顔が浮かんだ。きっとあれは、彼が作ったんだろうって思ってたんだよ。でも作曲者の名前は 桜春樹で、あぁ 僕の勘が外れたんだって感じてたんだけど。
そしたら、君のところから 作曲者訂正の発表があったでしょ?No Name なんて言ってたけど、あれを作ったのは作曲者 “ H ” だ。僕には分かる」

「…そこまで分かってるなら、今さら何も隠せないな」

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