第33章 とりあえず土下座から行かせていただきまーす!!
「「!?」」
『…えっと、驚かせて、すみません』
目を見開く2人に、私は説明をした。
日向アキヒトが 私の失脚を狙い、JUMP!UP!のデータを盗んだ事。そして、IDOLiSH7を利用した事。
自身を彼らのファンだと語り、たまたま寮に帰宅したナギを見つけて楽譜を押し付けた事。
「そ、そんな…。私はてっきり、この楽曲も、桜春樹さんがナギさんに託した曲の1つだと…」
「誰かがアナタに、そう言いましたか?それはもしかして、ミツキでは?」
「え…どうして、ナギさんがそれを知っているんですか?」
「OH MY GOD!こんな事になるならば、ワタシからミツキにきちんと説明すべきでした!!」
私がいま知っている情報は、日向がIDOLiSH7のファンのふりをして ナギに楽譜を押し付けた。ここまでだ。
その後、この曲がどう巡り巡ったのか。そして、どんな経緯で彼らに歌われる事となったのかは分からない。
『と、とにかく。もし和泉三月さんがお手隙なら、ここに呼んで貰っても大丈夫ですかね?
彼にも話を聞いてみましょう』
紡は大きく、何度も頷いた。そして、三月に電話をかける。
すると、彼はすぐにこの場に現れてくれた。ひょっこりと、パーテーションから顔を覗かせる。
「おーい、マネージャー?とりあえずダッシュで来たけど…って、おわ!TRIGGERのプロデューサーがいるじゃんか!どうもこんばんは」
『こんばんは。急にお呼び立てして申し訳ありません』
「え?オレ、あんたに呼び出されたのか!暇だったから全然いいけど。あ、チョコ食っていい?」
『どうぞ』
これからどんな話を聞かされるかも知らないで、彼はニコニコ顔でチョコレートに手を伸ばすのだった。