第33章 とりあえず土下座から行かせていただきまーす!!
「え…えぇ!?ど、どういう事ですかナギさん!!じゃあこの曲はどうなさったんですか!?」
可哀想に。大パニックに陥るマネージャー。なるべくこうならないよう、回りくどい質問から始めたのだが。もしかして、裏目に出てしまっただろうか。
ナギは優雅にお茶を啜りながら告げる。
「これは、IDOLiSH7のファンだという男から提供されたものです」
『その、IDOLiSH7のファンだと語った人物は、この男じゃないですか?』
私は、日向アキヒトの顔写真を楽譜の横に並べた。
自分の方に向けられたそれを確認すると、ナギは自信満々に言う。
「YES!間違いありません!この性格の悪そうな目、ワタシよく覚えてます。
この男が、自分が作った曲をぜひワタシ達に歌って欲しいと言って、楽譜を預けたのです!」
「そ…そんな。私、初耳 なんですが…」
「たしかに、この曲はハルキの物ではありません。ですが、この曲からはどことなく ハルキ感じます。これを作った人物は、ハルキに近い物を持っているのではないかと、ワタシは考えていました。
出来る事なら、これを作った人と話したいです。
春人氏。アナタは、これを作ったという男の写真持っています。この人物と、知り合いなのですか?でしたらどうか、ワタシをこの人物に会わせてもらえませんか」
『残念ながら “ JUMP!UP! ” を作った人間は、この写真の男ではありませんよ』
「WHY?だとしたら、この曲を 作ったのは…」
『……私です』