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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第33章 とりあえず土下座から行かせていただきまーす!!




私は “ 後処理 ” の為に、ここ 小鳥遊事務所に足を運んでいた。

ここに来る前に、小鳥遊紡には電話でアポを取った。その際に、こう言葉を添えた。
“ IDOLiSH7が直近で出した新曲について話がしたい。六弥さんと貴女の時間が欲しい ”

幸運な事に、夜の19時以降なら、2人の身体は空いているという事だった。


時刻ちょうど。私は事務所のインターホンを押した。
IDOLiSH7の寮には何度かお邪魔した事はあるが、事務所の方に足を踏み入れるのは初めてだった。

中から、すぐに紡が飛び出して来た。


「中崎さん、こんばんは。どうぞ狭い事務所ですが、入って下さい」

『突然すみません。あ、これ良かったら皆さんで』


私が手土産を差し出すと、にゅっと横から手が伸びて来て それは横取りされてしまう。

お土産を攫ったのは、私達の横に立っていたナギだった。


「OH!春人氏、今回のお土産は何ですか?」

「ちょ、ちょっとナギさん!」

『チョコレートです。乳酸菌入りの』

「アナタ、どうしてそんなにも乳酸菌LOVEなのですか?」


すぐに応接室へと通される。応接室といっても、事務所内をパーテーションで仕切っただけの空間だった。

席に着くと、彼女がすぐにお茶を出してくれる。私は礼を言うと、それには口を付けないで早速 本題へ話を進める。

テーブルの上に、1枚の楽譜を取り出して言う。


『お伺いしたいのですが “ JUMP!UP! ” という楽曲の作曲者について、教えて貰えませんか?』

「は、はい!
それは、公式で公表している通り、桜春樹さんという作曲者です」


桜春樹。言わずと知れた天才作曲者だ。
伝説のアイドル、ゼロに楽曲を提供していたことで有名。そして、IDOLiSH7も彼の曲を歌っている。それはもはや、この世界の常識である。


『…それは、本当に正しいですか?』

「も、勿論です!ですよね!ナギさん!」


ぐりん、とクビを回してナギに力強く問う紡。すると、口の横に付けたチョコレートを舐め取りながら ナギは答える。


「??
ワタシ、これがハルキの曲だなんて一言も言っていませんよ?」

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