第32章 TRIGGERだから
天
「トラブルなんてのは
乗り越える為にある
さぁ 両手を空へとかざせ」
楽
「体に刻んだ傷
誇るか 恥じるかは
お前次第だろ」
龍
「当たり前の顔して、やってのける
そんなお前がいた
だから、俺達は今ここに立っている」
天
「勝者か?敗者か?」
楽
「理想か?現実か?」
龍
「模倣か?創造か?」
All
「素晴らしき世界はどっちだ」
楽・龍
「限界を超えていけglow uP
いま自分を超えろglow uP」
All
「仲間となら強くなれる
上へ!上へ!上へ!!
予感が確信に変わる」
楽
「劣勢だから攻めに転じろ」
龍
「素晴らしき世界を作れ」
天
「誰かが決めた限界なんて
軽く飛び越してやる」
『……ほんと、…どこまで…』
一体どこまで、格好良いのか。
そんな言葉が、思わず口から漏れ出そうになるくらい、完成されていた。
短いレッスン期間だというハンディキャップなど、全く感じさせない仕上がり。
突き上げられた3人の拳に、思わず涙がこみ上げる。
もし私も客席にいたなら、きっとファンの女の子達と叫び出してしまったに違いない。
歌もダンスも、完璧に仕上がっていた。いつものプロフェッショナルなTRIGGERだ。
しかし、いつものクールなセクシーな彼らとは少し違う曲調。彼らは見事に、新しいTRIGGERの形を見せてくれたのだった。
熱く激しく歌い上げたその声は、確かに私の胸へと突き刺さった。
そして。
今年最後の大舞台。音楽大賞の放送日。
生放映でのステージで、彼はこの
“ GROW UP! ” を見事に歌い上げ、最優秀賞を勝ち取ったのである。