第4章 …ねぇ。もしかして、泣いてる?
私は私の。彼らは彼らの。最高の仕事をした。
後は結果発表を待つのみだ。
手応えはあった。
ここで優勝出来れば。TRIGGERの面々は、私を自分達のプロデューサーと認め 受け入れる。
1ヶ月前交わした約束が思い出される。
しかし、自分でも驚いた事に 今はそんな打算的な考えは頭から消えていた。
私の願いはただ一つ。彼らの努力を、優勝という形で昇華せてあげたい。
だからどうか…勝利をTRIGGERの手に…っ!
ずっとそればかり願っていた。神様なんて全く信じていなかったのに。
TRIGGERが優勝出来る可能性が、0.1%でも上がるのなら…姿の見えない神や女神に、いくらだって祈りを捧げてやる。
いよいよ…結果発表が始まる。
「ただいま得点の計算中です。投票は会場の審査員、そして全国の視聴者の皆様によって行われます!」
TRIGGERや他の出場者が全て壇上に集結している。
私は、それを舞台袖から見守る。
現在、集計中である事を司会者が 緊張感たっぷりに伝えていた。
非常に長い時間が…、いや もう緊張のせいで、この待ち時間が長いのか短いのかもよく分からない。
TRIGGERのメンバー達は、堂々とそこに立っている。その姿を見ていると、何故か私が誇らしい気持ちになっていた。
私の隣にいる姉鷺は、発表の瞬間を自らの手で納めたいと。手持ちのカメラで、ステージ上のTRIGGERを撮影している。
「皆様、大変長らくお待たせ致しました!
ただいま全ての投票の集計が完了した模様です」
司会者の言葉に、私は バッと顔を上げる。
「それでは結果発表です!
ブラックオアホワイト!総合優勝を果たしたグループは…」